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ボツリヌス療法について

ボツリヌス療法について

ボツリヌス療法とは

南魚沼市民病院内科では「ボツリヌス療法」をおこなっています。ボツリヌスは強い毒素です。食中毒で死に至ることもあり、悪名高い毒素の1つです。ではこの猛毒がなぜ極めて有効な治療法かというと、筋肉の強い緊張性麻痺を除去する作用があり、「毒をもって毒を制する」アプローチになります。

ボツリヌス療法の効果でよく知られているのが、美容形成の分野でのボツリヌスによるシワとりになります。しかしこの分野では医療保険は適応されません。医療保険では、脳卒中後や脳性麻痺の痙性麻痺、顔面神経麻痺後の顔面変形や違和感、顔面痙攣、眼瞼痙攣、痙性斜頸などになります。その他にも眼科分野では斜視、皮膚科では重度の原発性腋窩多汗症などがあります。1~3割負担になりますが、それでも高価な治療法です。とりわけ脳卒中後や脳性麻痺の患者さんは多くの薬液が必要になるため、負担額が数万円となります。また、ボツリヌス治療の効果は3か月ほど有効で、それを繰り返す必要があります。

自分はボツリヌス療法の適応になるのかどうか知りたい方も外来受診することをお勧めいたします。まずはかかりつけ医にご相談ください。

脳卒中後の後遺症としての上下肢痙縮

ボツリヌス療法(ボツリヌス注射)は、脳卒中治療ガイドラインにおいても強く推奨されています。脳卒中後の上肢・下肢の痙縮の軽減、関節可動域の増加、および日常生活上の介助量の軽減に有効であるとされ、定期的な痙縮の評価を行い、効果の減弱に合わせて反復治療を行うことで、長期的な痙縮の改善効果が期待できます。

眼瞼痙攣、片側顔面痙攣

これらの症状への施注も有効です。まずは内服薬による効果を見つつ、脳の中の血管が顔面神経を圧迫している状態はないか、痙攣を起こす別の脳の病気はないかなどを調べるために、頭部CT検査、MRI検査などを行うこともあります。内服薬治療で効果が見られない時や日常生活に支障をきたす場合に、ボツリヌス療法を選択することになります。

顔面神経麻痺の後遺症

顔面神経麻痺は罹患し、3か月以内に完治しなければ、4か月以降に後遺症が出現し、1年ほど増悪が持続します。強く表情筋の運動をすればするほどますます表情は麻痺側に引き連れてしまいます。4か月以降治癒していなければ、正しいリハビリテーションが必要になります。また10か月以降麻痺側に表情が引きつれる、口を動かすと目が細く閉じ気味になる、いわゆる「ヒョットコ(火男)」顔のような場合、病的共同運動といい、ボツリヌス治療が適応になります。

担当医

柏森 良二


出身大学 新潟大学 昭和49年卒
専門分野 リハビリテーション医学、顔面神経麻痺、臨床神経生理学
資格 日本リハビリテーション医学会専門医・指導医
日本整形外科学会専門医
日本臨床神経生理学会名誉会員(脳波、筋電図・神経伝導検査認定医)
日本顔面神経学会名誉会員(顔面神経麻痺相談医)
主な経歴 米国テキサス大学San Antonio校リハビリテーション医学臨床フェロー修了、米国アイオワ大学神経内科臨床フェロー修了(Iowa州医師免許取得)、帝京大学医学部リハビリテーション科元教授、帝京平成大学健康メディカル学部元教授
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