地域医療研修として、12月いっぱい、南魚沼市民病院で研修をさせていただきました。短い期間ではありましたが、多くのことを学び、考えた1か月間となりました。
新患外来では特に、健診異常で受診される患者さんを診察する際の対応に悩みました。私が普段研修をしている埼玉石心会病院では、二次救急病院、地域医療支援病院であるという背景から、腹痛、発熱等のcommon diseaseの患者さんはしばしば救急外来を受診されますが、外来で健診異常の患者さんを診察するのは初めてでした。どのくらいの期間でフォローをすればよいのか、生活指導はどうすればよいのかなど、最初は戸惑うことが多かったです。しかし、回数を重ねるうちに、患者さんへの検査結果の説明の仕方や、生活指導の内容を少しずつ充実させられたように思います。
病棟では、担当医ではなく主治医という立場で入院患者さんを診させていただき、その責任の重さを改めて実感するとともに、患者さんから「退院後は先生の外来を受診したい」と言っていただいたときはとても嬉しく思いました。また、DPCに慣れてしまっている身としては、医療行為ひとつひとつにコストがかかっているという事実を再認識しながらの診療となり、医療経済について考えるきっかけにもなりました。
医師数や周囲の医療機関が十分であるとは言えず、患者さんもご家族も超高齢であったり、冬季は通院できない方がいたりと、地域特有の事情がある中で、全人的に患者さんを診るとはどういうことかを身をもって学ぶ毎日でした。また、そういった状況の中で地域医療を支え続ける先生方、病院スタッフの皆様には敬服いたしました。
研修中は仕事だけでなく、プライベートも充実した時間を過ごすことができました。忘年会で川井先生バンドや3病棟のダンスに加えていただいたり、鶴齢、髙千代、八海山を日々飲み歩いたり、「やめる」「なんぎい」「もぎれる」等の方言をいつしか覚えていたり、大変思い出深い研修となりました。越後ワインを飲む機会を作れなかったことが悔やまれます。
勝手がわからずご迷惑をおかけしてばかりでしたが、病院スタッフの皆様、上級医の先生方に大変温かいご指導をいただき本当に感謝しております。南魚沼市民病院で地域医療研修をさせていただけて良かったです。心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。