自治医科大学附属さいたま医療センター後期研修医です。4、5月と2か月間大変お世話になりました。大宮に戻り改めて魚沼での日々を振り返り実感することが多々あります。
私は埼玉県に後期研修医として赴任するまで26年間ずっと千葉県で過ごしてまいりましたので、今回人生で初めて関東を離れて「住む」「働く」という経験をしました。医師としても未熟な上、初めての北陸の地での生活でしたので、不安な気持ちで4月を迎えました。勤務初日、不安は的中し、あたり一面は雪、道路の中央分離帯に水が湧き出しており、長靴やスノーブーツが必要であることも知らず、私の靴はずぶ濡れ、靴下にも染み出してきました。そもそも車で行くか悩んでいた私は雪国を甘く見ていたことに気が付きました。また、今年の4月は内科の医師が極端に少ないこともあり、先が思いやられるスタートであったと思います。
実際の魚沼での勤務は困難なことが多く、1日20人を超える新患外来や限られた医療資源の中で行う医療、高齢者医療のゴール設定等、大病院でしか勤務したことのない私にとっては初めての経験が多々ありました。ですが、その都度先生方、看護師さん、コメディカルのスタッフの方々に助けていただきなんとか2か月を終えることができました。また、医療者、患者様も温かい人がとても多く、自分は特に訪問診療で患者様のご自宅を訪問して直接診察にあたることができたのがとても良い経験でした。これらの経験は自分にとってかけがえないのないで財産あり、思い上がりかもしれないですが、医師としても成長できたのではないかと思っています。
また、魚沼の食事は本当に美味しく、皆様に色々教えて頂いたり連れて行って頂いたりしていただきました。お米は言うまでもないのですが、ちょうどシーズンであった山菜が非常に美味しく、もともと好きだった日本酒も沢山頂くことができました。また、新潟の風景のとても印象的で銀世界から、田植え、スカイラインから見える山々と町並み、どれも忘れることができません。油揚げとホタルを体験できなかったのが心残りですが、魚沼の地で暮らせたことが本当に貴重な経験となりました。2か月間、本当にお世話になりました。今後また、お世話になる機会がございましたら、よろしくお願い致します。