一か月という短期間ではありましたが、大変お世話になりました。地域研修に際し、たくさんの人の協力と支えを日々痛感し、今は感謝の気持ちでいっぱいです。南魚沼の患者さんや医療従事者は心優しい方ばかりであり、非常に働きやすい環境でありました。この地域に来るまでは、「田舎での医療はどこまでやれるのか」「設備や人員による限界があるのではないか」など余計な考えを抱いていましたが、行われている医療は変わらず、より患者さんに近い距離感で真摯な姿勢で全ての先生が働いておられました。大変な忙しさの中で志高く地域を支えて働く姿を見て、こうした姿勢を持って今後の医師人生を過ごしたいと感じました。
研修の多くは新患の初療と病棟管理でありましたが、主治医として病棟業務を行うということは初めてであり大きな不安を抱えてのスタートでした。しかし、頻回なディスカッションの機会があり些細な相談もしやすく、その中で若輩者の初期研修医の意見もしっかり受け止めアドバイスをいただき、大きな経験と日々の学びを得ることができたと思います。次第にこうした環境に慣れて来ると、マネジメントをすることの楽しさややり甲斐を感じることができました。
その一方で、他の研修のために担当させていただいた患者さんの今後の方針の決定や患者さん家族への説明に関われない瞬間があることにストレスを感じ出しました。医師の仕事のみならず、包括的な地域医療の勉強のため様々な活動を見るということの大切さは十分承知しているつもりですが、病棟業務に集中できる時間をもう少し確保できていればより充実した研修を送れたと感じました。
普段インドアで自堕落な私ですが、休みの日には外出を心がけ多くの観光名所に行ったり、有名店で食事をしたり、イベントに参加する機会を得られました。新潟県は海と山がとても綺麗で気持ちがよく、料理も美味しいものばかりで、初夏を満喫し公私ともにたくさんの思い出を作ることができました。
この一か月間は慣れない地ゆえ戸惑うことも多かったですが、すべてがいい経験であり心地よい気持ちで研修を終えることができました。今後も機会を作ってまたこの場所に来たいと思います。お世話になることもあると思いますが、その際はまた温かく見守っていただけると幸いです。本当にありがとうございました。
