生まれて初めての雪国は、雪以上に新鮮なものがたくさんありました。
研修医になったとき、新潟での地域研修は診療も新鮮で勉強になる、お米もお酒もなんでもおいしい、だから新潟での研修はとっても良いよ、と、自治さいたま出身のシニアレジデントの先生に言われました。それから約2年間、この1か月を楽しみに研修生活を送ってきました。
実際地域研修が始まってみると、一般内科外来は初めてで難しい、病棟は患者さんの年齢層が自治さいたまより平均20歳上で、最終目標やアプローチの仕方が全く違う。結局最初は自分の判断に自信が持てず、100%上級医にコンサルトしながらもこんな自分でいいのだろうかと悩む日々でした。しかし、そんな外来や病棟管理も外来で自分が見て専門医に繋げたり、自分で入院したほうがいいと考えた患者さんが入院して次第に元気になっていく姿を見たり、病棟でなかなか良くならない患者さんの治療を考え考え張り付いてみたりと、自分主体で考えて、上級医にフィードバックをもらいながら行うことで、大切な経験になりました。また、自分が病棟で診た患者さんが訪問診療や訪問看護に入ってもらいつつ家に帰ったり、自宅でのお看取りに立ち会ったり、家族それぞれ入院している患者さんに会ったり、雪の事故にあった患者さんにお会いしたりと、患者さんの生活を肌で感じることができ、想像力の糧になったように思います。
そんな日々の中で、内科の先生方のみならず、外科、整形外科、眼科、口腔外科、コメディカルの方々、秘書さん、それぞれに『これから医師として生きていく上で知っておかなければいけないこと』、『「内科に進みます。全身診られるようになりたいです。」と言ったからには必要な覚悟のようなもの』を様々な形で教えていただきました。
もちろん、先輩方、同期の申し送り通り、たくさん病院外の新潟も満喫しました。田部井先生に誘っていただいて皆でスキーに出かけたり、スノーボードを始めてみたり、温泉にも行きましたし、おいしいお米とお酒もたくさんいただきました。先輩方の話から想像して楽しみにしていたより遥かにたくさん、地域医療を経験し地域を経験することのできた、本当に楽しい1か月でした。
次に六日町の方々にお会いすることがあったら、誰かわからないくらい成長していられるよう、これからも頑張っていこうと思います。1か月間、どうもありがとうございました。