7月に地域研修でお世話になりました北里大学病院研修医2年目です。
私は新潟市出身ということもあり、同じ新潟県内南魚沼市民病院での地域研修を選択させていただきました。この1か月、南魚沼市民病院での研修は大変貴重なものとなりました。
外来、訪問診療・看護、リハビリテーション見学に始まり、保健所や地域包括支援センター、乳児健診など、病院を飛び出しての研修まで、普段、大学病院では目にすること、経験できないことばかりでした。
私は先にお伝えしたように、神奈川県相模原市にある北里大学病院で研修医として働いています。出身大学も同じく北里大学の出身で、北里の医療に浸かってきた身です。慣れた環境で仕事をするのはメリットもたくさんありますが、見方によっては視野が狭くなっている部分も多分にあると思います。そんな僕にとっては目にするもの、経験するもの全てが新鮮でした。地域に密着した医療も、自大学以外の先生から指導していただく医療も、未経験であるものが多くあり、毎日発見の連続でした。今振り返ると、常に心の中で「へぇ~」「はぁ~」と唱えていたが気がします。
特に地域医療での訪問医療・看護・リハビリテーションは新鮮でした。私が普段働いている病院では、治療が一段落した終末期の患者さんや重度の障害を負ってしまった患者さんの選択肢としては、自宅退院というケースももちろんありますが、それ以上に転院や施設入所といったケースが多く見受けられます。それが普通だとも思っていました。当然、私が見落としているケースもあると思いますし、病院の機能・役割や診察させていただく患者さんの疾患の違いもそういったことに影響しているとは思います。しかし、やはり視野が狭くなっていたのでしょう。何とか自宅に帰してあげよう、帰ったあとも気持ちよく過ごしてもらおうという訪問診療に対する地域の取り組みや、職員のみなさんの意気込み、また、自宅で家族に囲まれて穏やかに過ごされている患者さんの姿は、確実に普段の職場では触れることのできない、私が知らなかった医療であったと思います。“地域医療”、“訪問医療”など、言葉や頭では漠然とわかっていても、やはり実際に目の当たりにするのとは違いました。どこか困ったら転院・施設と当たり前のように考えていた自分を恥ずかしくも思いました。訪問診療に付き添わせていただいた際に大西先生がおっしゃっていた、「みんな自宅での看護や御見取りを難しく考えすぎている。少しの工夫で沢山のことが可能になる。」という言葉はきっと忘れることはできません。普段の職場に戻ってからの取り組み方、考え方を変えて頂けたような気がします。
今回の貴重な経験を普段の職場でも、今後の医師人生にも生かせるよう一層励みたいと思います。最後になりますが、この場を借りて御世話になった南魚沼市民病院の職員のみなさん、南魚沼市のみなさんにお礼を申し上げます。大変お世話になりました。ありがとうございました。