地域研修で1か月間お世話になった自治医科大学さいたま医療センター研修医2年目の医師です。せっかく研修で遠くへ行かせてもらえるなら美味しいご飯とお酒のあるところに行きたいと思い、新潟での研修を希望しました。
この1か月で自分自身が最も成長したと思う業務は新患外来です。救急搬送されてくる患者を診る機会は今までたくさんありましたが、いわゆる風邪の人や検診異常の人を診察したことはなく、はじめはどのように対応したらいいのかわからず戸惑うことが多くありました。しかし、教育熱心で優秀な先生方や優しい看護師さん・事務の方々などに支えられ、徐々に外来の対応にも慣れていくことができました。先生方も忙しい中、きちんとフィードバックをしてくださり、それが自分の医学知識のブラッシュアップにつながったと思います。
また、病棟では初めて主治医として患者を受け持たせていただき、主治医という責任の重さを実感しました。しゃきっとした新鮮な気持ちで病棟業務を行うことができ、今まで以上に真剣に患者さんと向き合うことができました。自分の知識の足りない部分も痛感し、残り半年の研修生活もフレッシュな気持ちで送れそうです。
1か月、非常に充実した研修をさせていただいたわけですが、そこには仲間の存在が大きかったように思います。私のほかに、2年目の研修医が2人いましたが、出身校も研修先もばらばらで、唯一の共通点は自分の思い描く医師像に向かって邁進しているということでした。研修中は診療で困っていることを相談したり、互いの病院のやり方を共有したり、また仕事が終わると毎日のように3人で食事をし、ときには新潟の地酒を酌み交わしながら将来について語り合う…。そんな忘れられない日々を送ることができました。
私は埼玉県深谷市出身なのですが、実は六日町という街に縁がありました。というのも、六日町には数年前まで深谷市の山の家があり、小学校の林間学校、中学校のスキー教室で2度泊まりに来ました。小学生の時にはクラスのみんなと坂戸山登山もしましたが、そのような場所で1か月、一医師として過ごし、そして2度目の坂戸山登山をすることになるとは思ってもみませんでした。長い人生、何が起きるかわからないなあ、そう思った六日町での研修でした。
最後になりましたが、先生方や病院関係の方、患者さん、この研修で出会ったすべての方に感謝申し上げます。またいつかお会いする日まで。