地域医療研修で1か月間研修させていただきました、自治医科大学附属さいたま医療センター初期研修医です。指導医の諸先生方、スタッフの皆様に支えていただき、大変有意義な地域医療研修をさせていただきましたことをこの場を借りて御礼申し上げます。
私は初期研修のため埼玉県に移りましたが、もともと新潟県に近い東北地方の大学を卒業しました。地域医療研修が始まりまず感じたことは、「懐かしいなあ、帰ってきたなあ」でした。地方ならではの医療スタッフの皆様の連帯感とあたたかさ、恵まれた豊かな自然環境、美味しい食べ物、すぐにこの場所に馴染み、居心地の良い場所になりました。ここではたくさんの初めてを経験させていただきました。初めての病棟主治医となっての診療は、これまで指導医の先生方の診療を見て学んできたことを、実際に自分でやってみる、ということができました。うまくいかないことや悩むことも多くありましたが、患者さんが元気に退院していく時の喜びはこれまでに感じたことのないものでした。実は良く理解していなかった、高齢の方が退院するにあたって必要な介護サービスなどの知識もたくさん学ぶことができました。退院後の家の環境や受けられるサービス、家族の状況、患者さんの意思を総合的に加味して環境を整え、入院を繰り返さないように対策するという経験は今まであまり馴染みのないものでした。新患外来も初めての経験で、非常に教育的な指導医の先生方から常にフィードバックしていただける環境での診療は、大変勉強になりました。
また、訪問診療、訪問看護や地域密着型特別養護老人ホームの見学や保健所見学など、地域の取り組みにも触れさせていただき、ゆきぐに大和病院にもお世話になり、出張診療に同行させていただきました。どれもが初めて見る世界ばかりで毎日が驚きの連続で、看護やリハビリのお手伝いもさせていただき、とても楽しかったです。私は総合診療医として、地域医療にも尽力したいと思っていましたが、地域医療の実際についてはあまり体験したことがありませんでした。1か月間という短い期間でしたが、多くの方にご協力いただいて余すところなく地域医療の魅力に触れることができました。お世話になった先生方のようになれるよう、今後ますます精進していきたいと思います。ありがとうございました。