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新潟県南魚沼市六日町2643番地1

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~医療は人と地域に密接している~

~医療は人と地域に密接している~

東京慈恵会医科大学附属病院 ジュニアレジデント

 地域医療研修として、10月の1か月間を南魚沼市民病院でお世話になりました。楽しく充実した時間を過ごすことができたのは、お会いする方々に温かく接していただけたから、と心より感謝しております。実は、私が普段研修する慈恵医大からは私が初めての研修医で、どんな土地でどんな研修なのか、ほとんど情報がない状態で伺いました。そうして医療よりも先、一番に教えていただいたのは本気丼にはじまる多くの観光心をくすぐられる情報でした。
 私と同時期に自治医大さいたまセンターから来ていた同期の2人と優しい先生方と、時に新潟大学の学生さんも一緒に、本気丼やおいしい地元飯・日本酒・温泉を巡って新潟を満喫しました。中でも土鍋で炊いた南魚沼産新米のおいしさは衝撃的で、図らずもお米とお酒のおいしさを知ってしまいました。
 研修では、地域医療についてはもちろん、医師として多くのことを学びました。特に先生方のサポートの元で病棟主治医・外来をさせていただけたことは、研修先が南魚沼市民病院で幸運だったと感じる理由の1つです。 風邪ひとつ取っても始めは診方が分からず、その入口を教えていただき、たかが風邪ではなくされど風邪なのだと知ることができたのは大きかったと感じます。
 また、内科が心不全から脳出血・肺炎・水腎症・果ては膠原病まで見て、外科では設備さえあれば心臓・脳のオペができる先生が内視鏡も腹部オペもやる、という事実に、細かく専門にわかれる病院との違いをかなりの驚きをもって感じました。高齢化の進んだ地域であるがゆえに重症の方も多く、そういう時の接し方やご家族の受け止め方に触れ、さらに無事退院できてもそこからの暮らしぶりまで心配して訪問診療・看護・リハビリを行う。大学病院では見えなかった医療は人と地域に密接しており、高い需要を感じると同時に、1人欠けたら医療崩壊寸前というギリギリの供給を垣間見ました。
 南魚沼市には院外に出るだけで心穏やかになる環境があります。近くの山の紅葉や通りすがりの星空・不便だけど幻想的な霧など、美しい自然からの癒やしを得て、週末には少し遠くまで足を伸ばし魚沼スカイラインやドラゴンドラで写真をたくさん撮りました。 たまに一生分のカメムシ達に遭遇し戦慄しながら、人らしい生き方・死に方について考える貴重な時間となりました。先生や看護師さんをはじめとするコメディカルの方々、病院スタッフ・市職員の方、本当にありがとうございました。

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