2020年12月から2か月間研修させていただきました。1年ぶり2度目でしたが、快適な秋に温泉や自然を満喫した前回と異なり、今回は地域医療と同時に大変な雪国体験になりました。
行って早々、医局から見える高速道路が大雪で立ち往生。空も地面も真っ白になり、雪降りしきる中でご高齢の方も除雪していて、これが雪国の厳しさか…と、数日間全く動かないトラックを見ながら感じました。すごい季節に来てしまったと正直思いましたが、南魚沼では大雪も日常で、特に、除雪機もない時代から長年この豪雪地帯で暮らしてきた方には尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。
しかし一度、十日町の美人林まで足を延ばした際は、綺麗な雪色にコーティングされキラキラ輝く美人林が見られました。もしかすると大雪だからこその景色、見られて幸運でした。
また今回は南魚沼の医療により深く関わり、地域による医療・考え方の違いを感じました。東京では新潟より、不必要な医療を提供することが多い気がします。人は死ぬという事実から目を背け、良い死に方を考えず生きている状態に価値を置いたような印象です。しかし新潟で会った方の多くは自然に生きて死ぬことを受容し、家族のために考えていました。優しくてでもとても難しいことです。私はここまで治し生かすことを中心に学んできましたが、市民病院では加えてどう生きてどう死ぬのかということを多く考えました。南魚沼に行く前、私は即断即決する自信満々の同輩後輩を見ては、すぐ考えこむ自分を恥じていましたが、南魚沼の尊敬する先生とお話して、悩むことの必要性を理解できました。今後も医業と関わるなら、地域や病院という狭い世界の固定観念や風潮に囚われず、しっかりと物事を見つめ考え続けなくてはならないということを、今回学びました。
2か月間南魚沼で充実した時間を過ごせたのは、市民病院のみなさんに温かく接していただけたおかげです。おいしいごはんで太るよう言ってくださり、患者さんとの関わりやその先も見据えた方針の考え方まで御指導くださった先生方、心から感謝しております。看護師さんは、患者さんに寄り添い医者の仕事もサポートしてくださり本当に頼りになる存在でした。お世話になったコメディカル・職員の方々、本当にありがとうございました。